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われる問題である。これから外部の要求を、教師や学校がどう受けるかが課題であると思われるので、富山大会で十分討議してほしい。学校のなかで体育の教師や部活動の先生が、他の先生に部活動に対して何を発信するのか、そして多くの意見交換ができるようにしてほしい。結論として、外部指導者の論議のなか、教師の指導力、学校の指導体制の不備を埋めるという考え方をしないでほしい。部活動は教育課程外として、社会教育に移行する過渡期という考え方ではないか。部活動は教育活動なのだから、外部指導者は不必要だという考え方は持つべきではない。子供達は自分にあった生涯スポーツをエンジョイし、将来競技力を向上させようとする子供達の環境作りの1つとして外部指導者があると捉えてほしい。これからはまず、教育委員会に納得してもらい制度化し、そして校長会との論義のなか、ここに中体連の明日があるのではないかと考える。
西田先生 戦後中体連が設立され半世紀が経ち、課題はいろいろあったが先輩諸氏が多大な苦労をしてこられたなか、スポーツを通して子供達の健全育成という目標に向かってやっているのだが、昨今、少子化における生徒の減少および教職員の減少により廃部・休部が増えている。京都市ではピーク時と8年度を比べてみると、最も顕著に現れているのが男子バレー部で、ピーク時には70チームが加盟していたが現在は36チームに、女子卓球部は69チームから40チームに、男子ソフトテニス部は63チームから42チームになっている。原因の70%は生徒数減少からの部員不足であるが、残りの20〜30%は子供達を指導する顧問がいないのが現状である。私の勤務校でも、保護者が新しい部の設置を要望するが、現在ある部の顧問を現教職員に依頼するのがやっとの状態である。しかし、子供達にとって一番幸せなことは、教員が技能も含めて技能以外の友情や責任を育んでいくのが狙いである。京都府・福井県の発表で共通するのは、外部指導者導入に賛成が60〜70%あるなか、外部指導者の確保をするが学校での指導する時間が難しい、という問題がある。そのなかで千葉県の学校間交流は、子供達の交流の方向を示したものではないかと思う、京都市の教員の年齢構成は50%以上が40歳代となっており、以前は顧問の講習会や研究会の参加が良く、専門でなくとも積極的に参加していた教員が多くいたが、最近は非常に参加率が悪くなってきているのが現状であり、今後の課題でもあろう。外部コーチのベンチ入りの問題で、社会スポーツの指導者、例えば地域の柔道場の指導者が、地域の生徒を多く抱えベンチ入りを要望することなどに対して、近畿の中体連では何度か話し合って、初年度ということで、外部コーチとしてふさわしいとか、学校との関わりが密であるとか、いろいろな項目を満たしていると学校長が判断した場合は良いということでスタートした。種目によっては、IDカードなどの取り組みはあったが、平成8年度の近畿・京都府の反省のなかでは問題点はなかったと聞いている。今後、複数校のコーチなどの課題はあるがこれから研究を重ねていきたい。
司会者 発表された3人の先生と、会場の先生方のご協力により、大変中身のある分科会が行えたと思います。今後研究を深め、次回の富山大会につないでいければと思います。ありがとうございました。

 

 

 

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